どんな薬にも副作用は必ずあります。
自分が服用している薬をネットで調べたらたくさんの副作用が出てきますよね。
しかし、服用時点によってどの副作用に注意すべきか異なるため記事にします。
副作用を知らないと
副作用を知らないと本来なら飲まなくて良い薬を飲むことになるかもしれません。
例えば、副作用と思っていなかった症状で他の病院へ受診した場合、
副作用症状に対する薬が処方される可能性があります。
他にも、副作用をほっとくと重篤化する恐れがあるためすぐに受診が必要な場合もあります。
とは言っても、過剰に心配して薬を服用しないのは、今の状態を悪化させる恐れがため、
副作用を理解して服用することが大切です。
副作用は大きく3つに分けられる
薬の副作用の症状の現れ方は大きく3つに分類できます。
薬理作用による副作用、薬物毒性による副作用、薬物過敏症による副作用です。
副作用は服用期間で考える
副作用は3つに分類できますが、服用期間で起こりやすさが異なります。
服用初期:薬物過敏症による副作用、薬理作用による副作用
服用開始6ヶ月以降:薬理作用による副作用、薬物毒性による副作用
そのため、薬を調べたら出てくる副作用全てを心配するのではなく、服用している期間で考える必要があります。
薬理作用による副作用とは
薬理作用による副作用とは、薬が効果を出す仕組みが原因で好まない症状が出ることです。
薬理作用でも大きく3つに分かれます。
①想定以上に効果が出てしまう。例:血圧の薬を服用して、低血圧。
②メインでない効果が出てしまう。例:花粉症の薬を服用して、眠気。
③薬の効果の消失によって新たな症状が出てしまう。例:抗うつ薬の中断によるめまい
薬理作用による副作用は薬の効果によるもののため、頻度が多い副作用になります。
薬理作用の副作用に対する対策は
薬の効果は血液中に存在する薬の量が影響します。
①想定以上に効果が出る②メインでない効果がでてしまう
この2つの副作用は血液中に薬の量が多いことが原因です。
対策は、薬の減量か効果が穏やかな薬へ切り替えです。
ただ、②のメインでない薬の効果が出てしまうは効果の裏返しです。
副作用によっては服用していくうちに慣れていく症状もあります。
治療している病気の状態が安定している場合、生活に支障をきたさない副作用ならそのまま様子を見ることも考えられるため、医師と相談が必要です。
薬物毒性による副作用とは
薬物毒性とは、薬を分解するのに大きな負担がかかったり、薬が臓器にちょっかい出して起こります。
薬の投与量が多いほど、薬の投与期間が長いほど起こりやすくなります。
薬物毒性が起こりやすい臓器は肝臓・腎臓で薬の代謝・排泄を主に行う器官です。
年齢と共に肝臓、特に腎臓の機能が衰えるため薬物毒性には注意が必要です。
代謝を邪魔する薬を併用している場合は若い方も注意が必要です。
通常の量なら服用してすぐに薬物毒性による副作用はあわられません。
長い期間服用していることで起きる副作用であり、徐々にあわられるため自覚しにくい副作用でもあります。
薬物毒性による副作用の対策は
血液検査等を行い、数値に異常がないか定期的に確認する必要があります。
急激に現れるわけではないため、状態を確認しながら投与量を減量したり他の薬に切り替えや薬の服用を中止します。
薬物過敏症による副作用とは
薬物過敏症とは命に関わることがある副作用で起きたらすぐに中止が必要です。
38度以上の発熱、皮膚の広い範囲が赤くなります。
服用後2週間〜6週間以内に発症することが多いとされてます。
一度過敏症を起こした場合、その薬に対する抗体が作られるため、二度と使用してはいけません。
原因医薬品には抗てんかん薬のカルバマゼピン、痛風治療薬のアロプリノール、抗生剤のミノマイシンなどと生じやすい薬は比較的限られています。
副作用発生頻度が低く医薬品服用者の0.01~0.1%とされています。
参照 重篤副作用疾患別対応マニュアル https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0322-10b.pdf
薬物過敏症による副作用が出た時の対応
薬物過敏症を疑われてた場合はすぐに中止し、医療従事者に伝える必要があります。
入院施設がある皮膚科専門医に診てもらう必要があります。
結論
薬の服用開始してまもない頃は急激に体調悪化した際すぐ医療従事者に連絡する。
生活の支障がない副作用の場合、慣れてくることがあるため経過を観察する。
生活に支障が出ている症状がある場合、医師に相談し、減量・薬の変更等の対策をとる。
長期間飲んでいる薬がある場合、定期的に検査を行う。
大きくこの4つにつきます。
ネットにはたくさん副作用が出てきますが、どの副作用も同じ頻度で起こるわけではないですし、人によってどの副作用に注意するか異なります。
不安なことがあれば医師・薬剤師に相談してください。
どんぐり未来塾の薬物動態マスター術第2版を元に記事にさせて頂きました。
わかりやすい本で勉強になるため新人薬剤師さんにおすすめです。
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