糖尿病の治療薬で使われやすいメトホルミン。
以下メトホルミンで統一します。
メトホルミンはどんな薬
2型糖尿病(多くの方がかかるいわゆる糖尿病)では最初の選択肢になることが多い薬です。
主に肝臓での糖新生を抑制することで血糖を下げるためインスリンの分泌を介さずに行います。(厳密には肝臓での糖新生の抑制の方法は明らかになってませんが血糖をあげる指示するグルカゴンの働きを邪魔するそうです)
さらに、オートファージ調節機構、腸内細菌への影響、小腸での糖の取り込みを抑制するなどいろんな作用が報告されてます。
メトホルミンは
・確実な血糖効果作用
・体重増加しない
・動脈硬化性心血管疾患や合併症を改善する
・長期の安全性が担保されている
・安価
と2型糖尿病薬に求められる要素が詰まってます。
どれくらいの量が一般的?
標準の量は1500mg/日です。
メトホルミンは用量を増やすほど血糖降下作用があります。
1500mgまで増量できれば血糖降下作用を十分に発揮できるとされてます。
1日3回で飲むことが多いですが、飲み忘れが多ければ1日2回でも良いとされてます。
副作用は
用量を増やすと下痢をする方がいます。
下痢が改善しなければ元の量に戻せば止まるため3日程度は様子みてでいいとされてます。
メトホルミンによる下痢は時間が経過すれば自然に改善されることが多いです。
メトホルミンを避けるべき人は
・腎機能障害
腎機能の指標eGFR<30ml/分/1.73㎡の方は使用できません。
eGFR<30ml/分/1.73㎡以上の方で腎機能の低下が認められる方は腎機能に応じ減量等を検討したり、腎機能を定期手に確認します。
・高齢者
年齢だけで判断してはいけません。高齢者だと腎機能が低下する人が多いため注意する必要があります。
腎機能が問題なければ大丈夫です。
・肝機能異常
肝硬変患者に対しては投与を控える必要があります。
肝機能低下の度合いによっては服用は可能です。
・ヨード造影剤使用時
腎機能が低下してなければガイドラインでは問題ないとされてますが、メトホルミンはほほどの病院も
中止していため、病院のルールにしたがう必要があります。
・周術期
半減期が短いため手術の前日に中止すれば間に合います。
乳酸アシドーシス?
腎機能が低下した人に出る可能性があり、そうでなければほぼほぼリスクがないです。
そもそもなぜ乳酸アシドーシスのリスクがあるのでしょう?
というと、糖新生はグルコースを作る仕組みですがそのうちの1つの原料が乳酸です。
メトホルミンは糖新生を抑制することで血糖降下作用を示す。
そして、メトホルミンは腎臓から排泄されるため、排泄されにくいと、いつまでも効果が出てしまします。
メトホルミンによる乳酸アシドーシスが起こりやすい状況が
ヨード造影剤時と脱水時になります。
脱水が起こりやすい状況にSGLT2、利尿剤の服用があります。
さらに、アルコールを飲むと、肝臓でアルコール代謝をし、乳酸の代謝がおくれたり、脱水傾向が強くなるため注意が必要です。
以上です。
ご覧いただきありがとうございました。
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