「前もらった薬よりmgが増えたからこっちのが強い?」と薬の強さに関する質問がよくあります。
薬の成分が異なると単純比較できませんが比較できることもあるので記事にします。
薬の強さはどちらが強い?
薬の成分が異なる場合、mgだけで効果の違いを判断できません。
例えば、下剤にマグミットとセンノシドがあります。
マグミットの錠剤は200mg、250mg、330mg、500mgの4種類あり、便秘には通常1日2gを3回に分けて服用します。
センノシドは12mgの錠剤1種類で48mgまで服用可能です。
mgが多いからマグミットのが効くのかというと必ずしもそうではありません。
理由に
1:マグミットは固い便を柔らかくして排便しやすくし、センノシドは腸を刺激して排便しやすくします。つまり薬により便秘に対するアプローチが異なります。便秘の原因によって合う薬が違います。
2:マグミットを250mgしていたからといってセンノシドも250mg服用したら明らかに用量オーバーです。最大量の5倍であるため、腸を動かしすぎて腹痛が生じたりと副作用が出てしまうでしょう。
今回の例は極端ですが、他の薬にも当てはまる考え方です。
同じ作用の仕方ならどう?
同じ作用の仕方でも単純比較はできません。
1:有効成分によって用量の幅が全然異なる
2:用量と直線的に効果が上がるのものと非直線的に効果が上がるものがある
3:体のとどまりやすが異なる
と理由は様々あります。
じゃあわからない?
とはいっても、わからないで終わらせられたら納得できませんよね。
判断方法はあります。
1:薬によっては比較表があるためそこから計算して薬の効果を判断できます。(等価計算)
2:用法用量の違いから予測することが可能な場合があります。
比較してほしい時は薬剤師に相談してみてください。
実際にあった質問
事例1:ブロチゾラム0.25mgかニトラゼパム5mg併用している患者。いずれどちらか1種類で様子見ると医師と話しているが量が多いニトラゼパムを減らして方がいいのではと本人は考えている。
結論:ブロチゾラム0.25mgに対しニトラゼパム5mgは同じ強さになるため量では比較できません。(等価計算により)
この患者さんは今までの睡眠傾向で入眠に苦労したのか途中で起きてしまうことが辛かったかの背景を考慮しつつ、比較して決めることになりました。
(半減期が短いものから長いものに切り替えて少しずつ減量し、服用回数を減らすのが教科書的ですが、、、)
事例2:アリピプラゾール2mgからレキサルティ1mgになった。同じような薬と言われたけど減っていて心配。大丈夫なの?
結論:単純比較が難しい薬です。アリピプラゾール2mgよりレキサルティ1mgのが効果は強いとされています。(メーカーに聞くと比較を教えてくれるが、一筋縄には行かない比較になってます。)
ただアリピプラゾールは24mgまで錠剤があるのに対し、レキサルティは2mgまでであるため錠剤種類の違いからも予測は可能です。
以上です。
ご覧いただきありがとうございました。
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